2009年02月09日
税金でコストカット?
おはようございます(^O^)/毎日、上場企業の業績悪化が報じられています。
僕たちのお客様の中小企業は、もっと深刻な状況です。
多くのお客様がコストカットを真剣に考えています。
広告宣伝費、交際費、旅費交通費などを見直す動きが広がっています。
10万円単位から100万円単位まで、その見直しの効果の規模は様々です。
小さな積み上げによりコストカットを実現しようとしています。
お客様とお会いしていて感じることがあります。
それは、コストカットの中に「税金」は含まれていないということです。
例えば、ということで、事例をご紹介します。
事例1
ある会社は(これは少し前の事例ですが)、留保金課税を納税していました。
ところが、その数年前に、資本金1億円以下の法人には留保金課税が課税されないという改正がなされていました。
数年間にわたり、払わなくても良い税金を払っていたのです。その額は1年分で約200万円ほどでした。
更生の請求により、直近期分を取り戻していただきました。
事例2
ある会社は、役員賞与を毎期払っていました。聞いてみると、毎期定額で払っているそうです。
この場合、事前に税務署へ届け出を出しておくことで、役員賞与を損金にすることができます。
会計事務所からは、「手続きが難しい」との説明があっただけで、放置されていました。
当然、届け出を出すことになり、年間約160万円の税金を節税することができました。
事例3
ある会社は、役員給与所得控除の損金不算入の適用を受けていました。
社長が役員報酬にかかる所得税を計算するときに、「給与所得控除」を所得控除することができますが、この「給与所得控除」を法人税計算上損金不算入とするという悪法です。
いくつか条件があり、その一つに該当すれば、この悪法の適用を逃れることができます。
その条件の一つが、役員のうち50%以上を同族以外の役員で構成するというものです。
この会社は、役員の半分が同族以外の役員で構成されていたのです。
正しい申告をすることにより、年間約96万円の税金を節税することができました。
事例4
ある会社は、交際費をすべてそのまま交際費として処理していました。
年間400万円を超える部分については、損金にしていませんでした。
一人当たり5,000円以下の飲食費については、全額損金になります。
少し面倒ですが、交際費に含まれる費用と含まれない費用に、費用使用者が分けて経費精算する流れに改善しました。
結果的に年間約40万円の税金を節税することができました。
以上、よくある事例です。
重要なのは節税に対する考え方です。
上記のような節税は、数十万円、多くても数百万円という規模です。
最初は、「それくらいでは意味がない」と考える経営者もいらっしゃいます。
でもそれは間違いです。
その会社の売上高税引前利益率がどれくらいか、ということです。
例えば、事例1の会社は、当時売上高税引前利益率は約10%でした。
200万円の税金が節税できるということは、2,000万円の売り上げが増加したことと同じことです。
事例2の会社は、売上高税引前利益率が約3%でした。
160万円の節税ができるということは、5,300万円の売り上げが増加したことと同じことです。
事例3の会社は、売上高税引前利益率が約5%でした。
96万円の節税ができるということは、約1,900万円の売り上げが増加したことと同じことです。
事例4の会社は、売上高税引前利益率が約3%でした。
40万円の節税ができるということは、約1,300万円の売り上げが増加したことと同じことです。
上記のような節税は、会社から出ていくお金が減り、より多くのキャッシュが会社に留保されることになります。
税引前利益が増えることと同じ効果があります。
その税引前利益を稼ぐために、どれだけの売り上げが必要かという観点で節税は考えなくてはなりません。
そう考えると、節税がコストカットとしてどれほど効果的か理解できると思います。
いろいろとコストカットしているがまだ足りない、あるいは、これからコストカットを考えたいという会社は、一度税金を見直してみることをお勧めいたします。