2011年01月27日
利益繰り延べのトレンドが変わった!!
こんにちは(^O^)/最近は、税制改正のご案内をお客様にして回っていますが、あまりにも酷い内容の改正に怒りの声しか聞こえてきません。
「民主党に投票したのは失敗だった」と嘆く方も少なくありません。
さて、そんな平成23年度税制改正の目玉は、何と言っても法人税実効税率の5%引き下げです。
当然、利益を将来へ繰り延べようという発想が出てきます。
現在、利益繰り延べの手段として最もポピュラーな方法は、生命保険を利用する方法です。
支払保険料の一部又は全額が損金となり、数年後に解約すると、高い解約返戻率で解約返戻金(現金)が返ってくるという内容です。
解約返戻金が返ってくると、利益が計上されますが、その時に設備投資や役員退職金で、その利益に見合う損金を作ることができれば、税金を払っていたよりも財務内容が強化されます。あるいは、赤字の穴埋めにもなります。
この利益繰り延べに利用する生命保険の人気トレンドが、法人税実効税率下げの影響で、大きく変わってきています。
昨年末までは、払込保険料を全額損金処理できるもので、解約返戻率が早い時期から高い率になるものが人気でした。
リーマンショック以降の先行き不透明感が原因と思われます。
ところが税制改正大綱が発表されてから1ヶ月、トレンドが変わりました。
現在、最も人気があるのは、逓増定期保険で5年程度で解約返戻率100%となるものです。
逓増定期保険は、払込保険料が半額損金となります。
しかしながら、被保険者の年齢次第では、5年程度で解約返戻率100%となるものがあります。
キャッシュロスがゼロのため、税率が下がる分のサヤだけでメリットが生じます。
これまでの生命保険を利用した利益繰り延べの考え方は、解約返戻金が返ってきたときに見合い損金を作ることができると、節税が完了してメリットが生じます(当然、解約するまでの間も不測の事態に備える経営安定化の役割は果たしているのですが、解約返戻金ピークまで保険料を払い込みできた場合には、そのありがたみが実感できないことも多いようです)。
ところが、今回の税制改正により、今はまさに税率が下がるタイミングです。100%の解約返戻金を確保できれば、見合い損金を作ることができなくてもメリットが生じます。
このメリットを運用の視点でとらえると、理論的には、余剰資金を定期預金で運用するよりも高い運用利回りを得ることができます。
キャッシュロスがないのに、保険料の半分は損金になります。
契約から4年目あたりまで、解約返礼率が低い水準で推移するものを選択すると、時価純資産の圧縮につながり、株価の純資産価額を圧縮する効果があります。
導入しない理由が見つからないという状況です。
これから決算対策を考えようという会社では、ぜひ一度検討の機会を設けられることをお勧めいたします。