2026年02月26日
建物を建築中で引き渡しが令和8年4月1日以降となる企業様向けの税制
令和8年度税制改正大綱において、「強い経済」の実現に向けた大胆な設備投資の促進を目的として、新たに「特定生産性向上設備等投資促進税制」が創設されることが決定されました。
この制度は、産業競争力強化法の改正を前提としており、経済産業大臣の確認を受けた投資計画に基づき、大規模な設備投資を行う企業を強力に支援する内容となっています。
主な制度の内容と要件は以下の通りです。
1. 対象者と適用期間
対象者: 青色申告書を提出する法人(および個人事業主)が対象となります。
確認期間: 改正法の施行日から令和11年(2029年)3月31日までに経済産業大臣の確認を受ける必要があります。
投資期間: 計画の確認を受けた日から5年以内に取得・供用した設備が対象です。
2. 対象となる設備(生産等設備)
国内の事業の用に直接供される、以下の一定規模以上の資産が対象です(事務用備品や福利厚生施設などは除外されます)。
機械装置: 1台160万円以上
工具・器具備品: 1台120万円以上(または1台40万円以上で一事業年度の合計が120万円以上)
建物: 1000万円以上
建物附属設備・構築物: 120万円以上
ソフトウェア: 70万円以上
3. 投資計画の認定基準(特定生産性向上設備等)
本税制を適用するためには、以下の基準を満たし、経済産業大臣の確認を受けた投資計画が必要です。
投資規模: 投資計画に記載された対象設備の取得価額の合計額が35億円以上であること。ただし、中小企業者や農業協同組 合等の場合は5億円以上と緩和されています。
投資利益率: 投資計画における年平均の投資利益率(ROI)が15%以上となる見込みであること。
意思決定: 取締役会等の適切な機関による意思決定に基づいていること。
その他: 資金調達手段が明確であり、法人の設備投資を増加させるものであること等の要件が含まれます。
4. 税制優遇措置の内容
以下のいずれかの選択適用が可能です。
①特別償却(即時償却): 普通償却限度額との合計で、取得価額の全額をその事業年度に償却できます。
②税額控除: 取得価額に以下の率を乗じた金額を法人税額から控除できます。
原則: 7%
建物・建物附属設備・構築物: 4%
※税額控除の上限は当期の法人税額の20%までですが、控除しきれなかった金額(限度超過額)は3年間の繰越しが可能です。
5. 適用制限と他制度との関係
所得要件と投資・賃上げ要件(大企業向け): 中小企業者等以外の法人の場合、継続雇用者の給与支給額の増加割合が1%以上(大規模法人は2%以上)、かつ国内設備投資額が当期償却費総額の30%以上(大規模法人は40%以上)という「足切り要件」を満たさない事業年度には適用できません。
重複適用の禁止: 本制度の投資計画期間中は、以下の制度を併用することはできません。
地域経済牽引事業の促進区域内における特定事業用機械等の特別償却・税額控除
中小企業経営強化税制
カーボンニュートラルに向けた投資促進税制
現在建物への設備投資を検討している企業様はもちろん検討可能です。
また、現在建物を建築中で引き渡しが令和8年4月1日以降となる企業様においても対象となると考えております。
ぜひ積極的に税制活用をご検討ください

