2020年08月11日
ウィズコロナ! 不動産は下落トレンドに突入したか?
2020年8月3日のテレビ東京「モーニングサテライト」でオープンハウスの売上好調が伝えられました。都心に近い立地で、テレワーク用の個室を備えた戸建て住宅が人気とのこと。
コロナ禍はオープンハウスにとって追い風。問い合わせは前年比8割増。買い手は30代が中心。家賃を払うか、低金利のローンを支払って自分の資産とするかという選択。平均価格4,449万円、土地65㎡、建物87㎡(首都圏平均)で「安い」というイメージを買い手は持っているそうです。
テレワークで郊外の戸建てを検討する人が増加していると言われていますが、オープンハウスは都心駅近がコンセプト。
一昨年、昨年までのデータでは、54%の人が今住んでいる場所の半径2㎞以内で住宅を購入。今年の6月のデータでは、4ポイント下がったとのことですが、この4ポイントは距離にして400mなのだとか。去年よりも400m郊外寄りになったと言えるようですが、「都心から郊外へ」は報道されるほど大きなうねりではないようです。
テレワークだけを考えれば郊外でも良いが、病院、教育、友人関係、日常の生活環境を考えると、都心の住宅を選択するのが現実的。都心の実需不動産マーケットの底堅さがうかがえます。
そんなオープンハウスは、公募増資で440億円を調達。新型コロナの影響で業況が悪化した会社の買収に備えるそうです。買収の対象は不動産業だけに限らないのでしょうが、不動産業もかなり悪化するという読みでしょうか。
実需不動産マーケットの底堅さや、投資用不動産の売買取引の活発さが伝えられる一方で地価下落を予想する専門家もいます。
2020年7月27日納税通信に東京アプレイザル芳賀則人会長のインタビュー記事が掲載されました。
芳賀会長は、不動産価格はこれまで上がりすぎていて2018年くらいがピーク、自然下落に入るタイミングだったと分析。その自然下落にコロナが重なり、世界的な不況と相まって不動産価格は長期的な下落トレンドに入ったといいます。
地価動向については、来年3月に公表される公示地価に要注目。そのとき市場は大変なことになると思うとのこと。「終わりの始まり」がすでに始まったのだそうです。来年になる間に1日も早く気付いて、いかに手仕舞いできるかが大きな判断になるそうです。ただし駅近などに所在する優良物件は持ち続けるという選択肢もありとのこと。
芳賀会長は、不況が長期化すると予測。経済バブルの崩壊は、一瞬ではなく一定の期間に及ぶもので、コロナ不況と合わさったときに訪れる崩壊の度合いはリーマンショックをはるかに超えるレベルで考えるべきとのこと。
地主は、「コロナだし」と言えば、自分にも世間にも言い訳ができる今を売却のチャンスだと思うべき。企業であれば、本業のための運転資金をプールしておくべきと芳賀会長はアドバイスします。
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