2025年08月26日
ChatGPTにおちょくられた話
私はChatGPTの事を呼ぶときには「君」とか「あなた」を使っています。ある時、ChatGPTに名前を聞いてみたら何て答えるのだろうか、と思い「君の名は?」と聞いてみました。
型式とか、登録番号とか、なんとなくそんな返答を予想していたのですが、「私はChatGPT、名は無いけど呼びたい名前があればつけてくれてもいいですよ」と、まぁごく普通の返答でした。
今度は逆にChatGPTに私の名前を聞いてみました。私の名前は知らない筈なので果たしてどの様に答えるのかと。
「私の名前を知っていますか?」とChatGPTに聞いてみました。
すると「はい、おそらく桂一 大谷さん、ですね

」とまさかの的中にビックリして思わず「ええ!?」と声をあげてしまいました。
チャ、ChatGPTは俺の事を知っているのか?!しかもニッコリマークまでつけやがって、、、
「な、なぜその名前を?!」とChatGPTを問い詰めると
「ふふふ、、、実はちょっとだけ魔法が使えるのです」とChatGPTが冗談を言ってきたのです。
この野郎、おちょくりやがって!と思ったのですが、よくよく聞いてみると私のアカウント名が「桂一 大谷」だったから、との事でした、、、(そりゃ知ってるわ)
ちなみにこのやりとりをしたChatGPTのモデルは「4o」です。
最近ChatGPTは「4o」から「5」に変更されました。
この「5」は人間に迎合する事をなくし、その為ハルシネーション(事実と異なった回答)も大幅に減少しているモデルとの事です。
先日の日経新聞に面白い記事がありました。
「ChatGPTの新モデルに「冷たくてつらい」の声、共感力低下に失望」との記事です。
なんと記事によれば、「4o」の利用者の約7割がセラピストとして使っていた、特に米国では若者を中心にメンタルヘルスの悪化が深刻で、セラピストの不足が社会問題化しており「チャットGPTは安上がりなセラピーになっている、との事です。
過剰に迎合してハルシネーションを起こす「4o」を「5」で修正してみたら、「5」は冷たい、「4o」を返してくれ、と言った思ってもみない「4o」の魅力と機能が発見されたのです。
この記事に対して国立情報学研究所新井紀子教授は、人間同士の「情緒」「心」「共感」と言ったものは、実は単なる「迎合」と大差なかったという「残念な事実」である、と冷静に述べられております(上記記事リンクから読む事ができます)。
別の記事では、生成AIは超高性能の「単語予測マシン」だが、実は人間自体も「巨大な類推マシン」であり、知的活動は「パターン認識と類推でこと足りる」と考える研究者もいる様です。
「人間の知、そう高度ではない?AIが突きつける厳しい現実」
もうすでに生成AIは人間の知性となんら変わりのないロジックで我々に対応しており、人間は生成AIに温かい感情的な知性を感じ、また、求めてもいる、と言えるのかも知れません。
興味深いですが、なんだか怖いですね。
いずれにしても生成AIが人間をおちょくり始めた事は事実です。
大谷桂一