2023年07月04日
事業再構築補助金の制度が大きく変わりました!
こんにちわ。みどり財産コンサルタンツ東京支店の伏木です。急速に暑くなりましたが、みなさん夏バテしていませんでしょうか。
私はもうすぐ3歳になる子供がなぜか夜更かしのため、私も寝る時間が遅くなりがちでなかなか大変です。
さて本題に入ります。ちょうど先週末の6月30日に事業再構築補助金 第10回公募の締め切りがあり、お手伝いさせていただいたお客様に関しては無事申請を完了することができました。
おかげさまで認定支援機関であるみどり同税理士法人のグループでの採択件数は200件程度となり、税理士法人系ではおそらく全国トップ。私個人としてもお客様の採択件数が20件を超えてきております。
ところが実は第10回公募からかなり制度の内容が変わりました。まずはどこが変わったかを認識していただくために、既に採択結果が出ている第9回公募の結果を紹介します。
上表が結果一覧ですが、グリーン成長枠を除くすべての枠について売上が減少することが要件となっています。採択率は合計で45.5%ですが、
「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」は採択率が50%を超え、次に「通常枠」が採択率41%、「グリーン成長枠」が40%を少し切る採択率となっております。 その代わり、従業員数によって変わってくるのですが「通常枠」の補助金上限額最大8000万円や「グリーン成長枠」の上限額1億円に対し、「回復・再生応援枠」は上限額1500万円、「緊急対策枠」は上限額4000万円と枠の上限が小さくなっております。
次に10回公募以降の制度は下記の通りになっております。 やはり従業員数によるのですが、補助金の上限額は全体的に引き下げられており、A業況が厳しい事業者様向けの「物価高騰対策・回復再生応援枠」と、B成長分野に取り組む事業者様向けの「成長枠」「グリーン成長枠」の大きく2つに分かれたという印象です。
それを踏まえて、売上が減少したという要件が課せられているのは、前者Aの業況が厳しい事業様向けの枠のみとなり、これは補助金上限額が小さくなる代わりに、今までの同趣旨の枠のように採択率が他と比較して高くなるのではないかと予想されます。
一方、Bの成長分野に取り組む事業者様向けの枠は売上減少要件が無くなった代わりに、事務局が指定した成長分野の業種に取り組むことが求められます。その点で成長分野への取組であることが、より審査ポイントとして重視されると思われます。採択率は1回から9回に向けて徐々に上がってきて40%程度となってきましたが、「成長枠」「グリーン成長枠」もその前後に落ち着くのではないでしょうか。
今回第10回公募でたまたま私は、「物価高騰対策・回復再生応援枠」「通常枠」「グリーン成長枠」及び「サプライチェーン強靭化枠」と一通りの種類の枠での申請をお手伝いさせていただきました。最後にそれを踏まえて感想ですが、
①今まで認められていた採択→交付決定前の事前着手が「成長枠」「グリーン成長枠」では認められなくなったので、新規事業の開始タイミングに注意しなければいけない。
②賃金引上げを行う事業者さまについては、補助率の引き上げ等のインセンティブがあるが、こちらも進捗状況についてエビデンスを求められていく可能性が高いのでこちらも注意しなければいけない。
といったところでしょうか。
なおサプライチェーン強靭化枠は建物新築費用が原則対象になったり、最大5億円の上限と制度的には優遇されておりますが、準備しなくてはいけない申請書類には取引先にお願いしなくてはいけないものがあったり、要件も他の枠にはない独自の要件があったりと、利用及び採択にはやはりそれなりにハードルが高そうです。
以上、長文となりましたが制度の概要と私の感想になります。今後第10回の結果も出てきますし、実際に個別具体的に聞いてみないとわかりにくいと思いますので、ご興味があるかたは是非弊社にご相談いただき、構想されている投資や新規事業についてお聞かせください。着手金や相談料等いただかずに対応しております。