コラム Column

2019年09月18日

人材不足と戦う!

iDeCo

人手不足が大きな経営課題になってきました。

2019年8月18日の日経新聞記事によれば、人手不足を原因とする倒産が高水準で推移していて、人手不足による倒産が2019年は過去最高になる可能性があるそうです。

東京商工リサーチの調査では、人手不足に関連した倒産で最も件数が多いのが「後継者難」型だそうなのですが、全体からみれば、「後継者難」型は減少傾向とのこと。後継者難に代わり「求人難」など雇用情勢を背景とした倒産の増加が目立つそうです。

増加率が最も高いのは「従業員退職」型だそうです。中核社員の転職などで事業継続に支障が生じたケース。そして、従業員の確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型、賃金などの上昇により収益が悪化した「人件費高騰」型と続きます。

 

さらに人件費高騰が中小企業を圧迫します。

政府は、2019年6月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で、最低賃金について「より早期に全国加重平均で1,000円を目指す」ことを表明しました。東京都では先駆けて、2019年10月1日より最低賃金が1,013円になります。

東京はもちろんですが、東京以外でも、より人手不足感の強いサービス業中心に実質的な最低賃金は1,000円前後になってきています。

時給競争だけではない人材確保術はないものでしょうか。

 

結局、カネの話しかと思うかもしれませんが、2019年9月11日の日経新聞四国面に「会社おひざ元 住めば手当」という記事で、香川県で唯一の黒板の専業メーカー「いわま黒板製作所」の面白い取り組みが紹介されています。

 記事によれば、同社は、本社所在地の香川県善通寺市に住む社員に毎月5千円を支給する「定住促進手当」を導入したとのこと。今夏から県外大学生のインターンシップの受け入れを始め、手当をUターン就職の獲得と連動させたいそうです。

会社から一定の近距離に住めば、手当を出すという事例は他にもあると思いますが、企業が社員に支給する手当を通じて定住を促すことが全国でも珍しいようです。

 

お金を出すのであれば、老後資金の不安があおられる今、退職後の資金にフォーカスした福利厚生施策を人材確保施策の一つとすることも検討できるのではないでしょうか。

iDeCo+(イデコプラス)という制度があります。iDeCo加入者に事業主が事業主掛金を会社経費で上乗せ(マッチング)する制度です(今回は、iDeCoそのものの説明は控えます)。

iDeCoに加入する役員、従業員に、差別なく上乗せする必要がありますが、事業主が負担した掛金は企業型と同様、損金算入が認められます。

事業主の負担した掛金は個人の所得とならないため、企業型と同様、社会保険料の対象外になります。

 

企業型のマッチング拠出のような掛金の制限もなく、事業主は自由に上乗せをすることができます。

例えば、従業員が1万円を拠出した場合、事業主はより少額の5千円のマッチングが認められます。中小零細企業の退職金制度に適しています。

 

この事業主が上乗せする掛金マッチングの仕組みは、日本の企業型では認められていません。日本のマッチングは、あくまでも事業主の掛金に従業員がマッチングする制度です。

iDeCo+では従業員が掛け金を拠出しないと会社は上乗せできないので、自助努力へのインセンティブが働きます。アメリカの401Kはこの仕組みで普及しました。自助努力を後押しする素晴らしい仕組みです。

 

若い世代は、老後資金に2,000万円必要なことは分かっています。自分で資産を作り上げる力を付けることが必要です。単に給与を上げるだけでない福利厚生施策を人材確保施策の一つとして検討してみてはどうでしょうか。

 

iDeCo+ 厚生労働省 パンフレット