2021年06月01日
事業承継における創業経営者の退職慰労金の税務上の留意点
6月となり、多くの3月決算の会社の株主総会が終了したことと思います。
株主総会で、創業経営者の方が代表取締役を退任され、後継者に代表取締役を交代する決議を行っている会社もあろうかと思います。
このときに、支給される創業経営者への多額の退職慰労金が、退職給与に該当しないことになっては大変です。
「実質的にその会社の経営上主要な地位を占めている」と認められると退職給与と取扱われず、結果として、会社の法人税、創業経営者の所得税において、大きく不利になってしまいます。
創業経営者は、代表取締役から相談役等となっても、経営に関与しているケースがしばしば見受けられます。
相談役等となって、報酬が、著しく減少したとしても、従来のように経営上の意思決定を行ったり、あるいは、対外的な交渉をおこなったりすると、「実質的にその会社の経営上主要な地位を占めている」ことになってしまいます。例えば、経営会議や取締役会への出席や稟議書への押印等を行っている場合などでも、それが、経営への関与の実態を反映しているとみなされることがありますので、留意が必要です。