「財産債務調書」とは

「財産債務調書」とは

「財産債務調書」とは

平成27年度の確定申告時(平成28年2月16日~平成28年3月15日)から、個人財産の詳細を記した「財産債務調書」の提出が義務付けられています。これまでにも同様に「財産及び債務の明細書」の提出制度がありましたが、本制度においては記載項目がより具体的になり、罰則規定が設けられるなど、以前とは意味合いが大きく異なるものとなっています。具体的には以下の通りです。

旧制度「財産及び債務の明細書」との違い

  財産及び債務の明細書 財産債務明細書
提出義務者 その年の所得金額
2,000万円超
その年の所得金額 2,000万円超
且つ
総資産 3億円以上 もしくは
※国外転出特例対象財産 1億円以上
記載項目 種類・数量・価額 種類・数量・価額・用途・所在
(有価証券等については取得価額・銘柄等)
質問検査権 あり
加算税等の特例 過少申告加算税等に±5%の加減算あり

※国外転出特例対象財産…有価証券(非上場株式含む)、未決済の信用取引、未決済デリバティブ取引に係る権利等。

1.国税当局に「質問検査権」が認められた

以前と異なり、税務調査が入る可能性が生じます。

2.過少申告加算税等の加減算の特例

期限内に申告しなかった場合、または申告したものの財産の記載漏れがあった場合、過少に申告した場合、過少申告加算税等(下表参照)が5%加重されます。一方で、期限内に提出した場合には5%軽減されます。

過少申告加算税等とは?以下2つのいずれかに該当するペナルティを指します。【過少申告加算税】(1)期限内に申告した場合で、修正申告・更正があったとき。→納付税額と50万円とのいずれか多い金額までの部分に10%加算。超える部分に15%加算。(2)税務調査を受ける前に、自主的に修正申告をした場合。→無加算 【無申告加算税】(1)期限後申告をした場合→納付税額に対して50万円までの部分に15%加算。50万円を超える部分に20%加算。(2)税務調査を受ける前に、自主的に期限後申告をした場合→納付税額に対して5%加算。

3.記載項目の具体化

有価証券であれば取得価額や銘柄まで記載することが義務付けられる等、個別具体的な記載が求められ、相当の労力が必要になります。特に非上場株式の時価は算定が複雑であるため、専門家への依頼が必要となるでしょう。

4.中小企業のオーナー経営者等も提出義務者となる可能性がある

国外転出特例対象財産は有価証券が含まれますが、非上場企業の自社株式医療法人の出資持分等についても、帳簿純資産価額1億円以上あれば提出義務者の要件に該当します。

まるで相続税申告!あらゆる財産が細かく把握されます

事実上「相続財産の概算申告」といえるほど、個別内容に踏み込んだ個人財産の申告制度は、過去に例がありません。これまで国税当局としては、相続が実際に起きた時点でしか個人の財産の詳細を把握出来ていませんでした。また、(特に名義預金等)相続税の申告漏れが多く報告されています。しかし今後は、本制度によって個々の財産を事細かに把握することで、財産隠しや課税逃れを防ごうとする狙いがあると考えられます。

また本制度とは別に、平成30年1月には生命保険の「支払調書」の制度強化も予定されています(下表参照)。それに加え、2016年1月より導入されたマイナンバー制度により、より正確に財産の動きが補足されていくでしょう。このように、国にあらゆる財産を網羅され、これまで以上に(特に富裕層に対して)個人資産への課税が厳しくなっていくことは容易に想像できます。

資産家にとっては脅威ともいえるこの流れに対して出来ることは、ご自身の財産をより一層正確に把握し、日頃からの管理を徹底することです。今一度、資産構成の見直しや相続対策についてご検討されてみてはいかがでしょうか。

生命保険の支払調書とは?(1)1回の支払金額が100万円を超える死亡保険金、満期保険金、解約返戻金等が支払われた場合。(2)1年間に20万円を超える年金給付金が支払われた場合。いずれかの場合に、生命保険会社が税務署へ提出する書類が、「支払調書」です。平成30年1月1日より契約者変更も保険会社が税務署に通知することが義務化されます。契約者変更を前提とした保険加入には注意が必要です。

※本資料は2016年2月5日現在の法令に基づき制作しています。
今後、税制改正等が行われた場合には、その限りではありません。
また、本資料に記載された情報に関しては信頼ある情報源から入手したものではありますが、その正確性は弊社で保証するものではありません。

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