コラム Column

2020年09月30日

ウィズコロナ 公的資金で下支えされる不動産マーケット

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2020年の基準地価が発表されました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、全国で地価が下落したと報道されています。

テレビでは、リモートワークの広がりによる賃貸オフィス解約の動き、観光地におけるテナントの撤退及びその後のリーシングの困難さ、ホテルの売却話が報道され、バブル崩壊かのような報道がなされています。

これらは事実の一部ではありますが、全部ではありません。

 

2020年9月30日の日経新聞の記事では、「いったん回復傾向が立ち止まった状態。今回も多くの地域では様子見の小幅な変動だとみている」という国土交通省の見方が紹介されています。

 

今回の基準地価の発表では、都心3区が強さを見せました。

昨年まではインバウンドの恩恵を受けるエリアが急上昇するという現象が見られましたが、今年はそのような加熱的な上昇下落はありません。それぞれのエリアがどの程度底堅いのかということが確認できたと言っても良いと思います

全国の中では、やはり東京区部。そして東京区部の中では都心3区ということが確認できました。

 

不動産は過渡期です。ニューノーマル時代には新たな価値を持つ不動産も出てくると思いますが、今は手堅い投資対象を選択するべきタイミングです。

 

上記日経新聞記事によれば、1~6月の世界全体の不動産投資額が前年同期比3割減る中、日本への投資は同6%増えたとのこと。中でも東京圏への投資額は150億ドル(約1兆6千億円)と世界の主要都市で初めて首位に立ったそうです。

低金利で利ザヤが取りやすい環境があるということが一つの要因。

そして、ロックダウンが実施されないなど、世界的に見ればコロナの経済的影響が小さかった面がもう一つの要因。

どうしてもコロナを悪材料として敏感になっていますが、日本の国内不動産市場が「危機下におけるセールスヘイブン(安全な投資避難先)」なのだとか。

 

意外にも下がらない東京の不動産マーケットについて、岡三証券理事の高田創氏の分析記事が、2020年9月13日の日経ヴェリタスに掲載されていました。とても興味深い内容です。

高田氏は、「政府がコロナショックに向けた経済対策の二次補正予算で対応した家賃支援給付金は事実上、不動産市場への公的資金の注入に等しい効果を及ぼす。割引現在価値(ディスカウントキャッシュフロー)で不動産評価を行う際に賃料の負担力が増すことは、価格保全に資するものだ。」と分析しています。

さらに、「今日では同時に、日銀が上場投資信託(ETF)を買い、不動産投資信託(REIT)を買っている。これも株や不動産の支援が目的ではないが、『バブル崩壊の再来を回避するため、不動産を中心とした資産デフレに陥らない』との強い姿勢が感じられる。」と解説しています。

 

 

大きな崩れはないという流れになってきた東京不動産マーケット。

とは言いつつ、慎重に、生き残る不動産に投資していきたいものですね。